表参道で待ち合わせてオシャレなカフェやビストロに行くのは“普通のデート”である。あなたがデートに誘いたいと思う女性は、きっと他の男にもデートに誘われているはずだ。そんな女性を人気店なんか連れていこうものなら、“ありきたりな男”と思われかねない。危険だ。
逆に考えよう。かつてないデート体験をプレゼントできれば、あなたはオンリーワンの存在になれるわけだ。「デート　表参道」なんてググる男は、“量産型”以外のなにものでもない。かといってマニアック過ぎるのは引かれてしまう。
今回は“予想は裏切るが期待は裏切らない”そんな表参道のデートコースを提案したいと思う。

さむの ワンポイントアドバイス

待ち合わせ場所から１、２分歩けば『讃岐うどん愛』に到着する。夜には赤ちょうちんが灯る、昭和の情緒を感じるお店だ。表参道だからこそこういった店を選ぶとこなれ感が出るし、緊張感もほぐれて会話も弾みやすくなる。何よりも店名の縁起の良さは全国一位まである。
しかもこの店、食べログにはランチの営業時間しか書いてないくせに、しれっと夜も営業してるというエグさである。お客様への愛が足りないように感じるかもしれないが、愛深きゆえに愛を捨ててしまったうどん屋なのだ。多分。
メニューはごく普通の居酒屋的なものが揃っているが、表参道のデートではそれが逆に新鮮なものにうつろう。余談だが、筆者の大好物はトマトのおでんである。カラシを付けて食べるととても美味しいのだ。

さむの ワンポイントアドバイス

小腹を満たしたら旨い酒を飲みにいこう。二軒目はお隣のビルの３階『Narf』。ここは西海岸的な雰囲気のBARで、アーティストのグラフィックアートが飾ってあるなど、一軒目からのギャップは相当なものがあるはずだ。
店内はかなりラフな雰囲気なのだが、酒の品揃えとカクテルはかなり本格的という、日本では珍しいタイプのお店である。週末であればDJも入るので、音好き酒好きにはたまらない。
バーテンダーはの斎藤氏は世界大会で３位に入賞したとかしないとかで、決して大げさでなく、巷のオーセンティックバーを凌駕する、とても美味しいカクテルを作ってくれる。
おすすめは何といっても、世界大会の入賞を決めたカクテル『Old Fashioned Living Room』。アイリッシュ・ウイスキーを代表するジェムソンを使った“オールドファッション”がベースなのだが、そこに玄米茶の香りと黒蜜の甘みをプラスしている。甘めで飲みやすく、その上見た目もフォトジェニックな、女殺しの一杯だ。
ここまで予定調和を崩されてしまっては、帰ろうにも帰れないのが女の性。店を後にした君は一言こういえばいい。


「今日はおうちに帰さんどう」

このプランの注意点！

さむの ワンポイントアドバイス

エイベックスの本社ビルが真横なので、「そこ、鈴木亜美の指定席だよ」とか、「EXILEはこのトマトを食べながら振り付けを考えてたらしいよ」とか適当ぶっこきつつ小腹を満たせばいいんじゃないかな。多分。

さむの ワンポイントアドバイス

『Narf』の豊富な品ぞろえの中でも、ジンのコレクションには特別なこだわりがうかがえる。一杯目はロングカクテルの“ジンフィズ”をお勧めしたい。もしくは看板メニューである、マンゴージュースとビールのカクテル、“マゴビー”もいいだろう。〆にはブルーチーズ風味のウォッカで作る、“ウォッカマティーニ”なんてのもオシャレだね。本格的なカクテルをラフに味わう。それがイマドキ。おぼえとき！